感染症の記事を書くために資料を探していたら、一番知りたいと思っていた再置換術の統計が出て来たのでまとめてみたいと思います。
人工関節置換術をされた方であれば、気になるのは再置換術
特に今はQOLで60歳を待たず早めに手術される人が多いでしょうから気になる人は多い事でしょう。
私もその一人ですけどね。
人工股関節アンケート②では、人工股関節の寿命、再置換についての不安があると答えた人は44%でした。(2018年1月現在)
-
人工股関節アンケート②(人工股関節置換手術を受けた人のみ回答)
変形性股関節症と診断された方、人工股関節置換手術をされた方、それぞれのアンケートページを作りました。 このアンケートは、一度回答ボタンを押して回答したアンケートにはもう回答できませんので間違いのないよ ...
人工関節登録制度の目的
1975年にスウェーデンにて人工関節登録制度が開始され、2006年にようやく日本でも人工関節登録制度が開始された。
人工関節に関する臨床的ならびに基礎的研究の進歩、発展を図るため日本整形外科学会インプラント委員会にて人工関節登録制度のトライアルが開始され、2011年に日本人工関節学会に業務移譲されている。
今や人工関節手術は世界的に標準的治療として普及されており、国内における人工関節手術も右肩上がりに増加しています。
人工関節インプラントは多種多様に販売・使用されおり、人工関節のデザインの優劣、固定法の選択、適切な手術手技、不良インプラント製品などの情報が臨床現場にフィードバックされて人工関節登録制度の有用性が確かなものとされた。
人工関節登録制度の目的として、どのような疾病に対して人工関節が施行されているのか疾病の把握やインプラント情報、人工関節の術後成績、臨床成績の向上による医療コスト削減があげられる。
※患者の個人情報や登録の手間からか、まだ登録率は80%を超えてはいないようだ。
実際、手術時人工関節登録制度の事は聞かされていないので私が入院した病院では登録していなかったのだろうと思われる。
是非、登録率を増やし今後の人工関節臨床成績の向上と医療コスト削減の役に立てて頂きたいと、患者側からも切に願うばかりです。
THAの初回・再手術統計
今回、許可を頂き日本人工関節学会のTHA人工関節登録調査集計2006年2月~2017年3月から転載させて頂きました。
PDFが見れない人の為に、抜粋して転載させてもらってます。
- 男女別の初回・再手術の統計を見ると初回・再手術ともに女性が多いが、初回よりも女性の再手術が減り、男性の再手術のパーセンテージがあがっています。一概には言えないと思いますが、これは活動量の差なのでしょうかね?
年代別
- 年齢別の初回・再手術の統計を見ても初回手術では60代が一番多く、再手術では70代が一番多く続いて60代、80代となっています。これらは大体予想がついていたと思いますがね。しかし80代で再手術とは…少しビックリです。年々、実年齢より若い人も沢山いますからね。20代で、再手術している人も少人数ながらいるのもビックリでしたね。
手術時間
- 当然ながら再手術の時間が延びていますね。
- 再手術の原因で一番多いのがaseptic loosening(臼蓋)続いてaseptic loosening(大腿骨)、感染症、脱臼、Osteolysis(臼蓋)、ポリエチレンの摩耗、Osteolysis(大腿骨)と続いています。aseptic looseningとは?直訳すると無菌緩み、Osteolysisは骨溶解と翻訳ではでてきます。
出典:日本人工関節学会の【THA人工関節登録調査集計2006年2月~2017年3月】から抜粋して転載させて頂きました。
抜粋のデータ以外にも、手術診断名、アプローチ、固定法、骨移植、補強部品や参加施設など興味深いデータが掲載されていますので、是非ご覧になって下さい。
データは、日本人工関節学会HPのJAR内のレポート【THA人工関節登録調査集計2006年2月~2017年3月】をクリックするとPDFが開きます。
※こちらの統計データは、日本人工関節学会様より許可を頂いて転載させて頂いてます。無断で記事内容の転載はご遠慮願います。